語り継ぎたい古典サイレント映画 Vol.7  



 

浮草物語(うきくさものがたり)

  『生れてはみたけれど』『出来ごころ』に続き3年連続でキネマ旬報のベストテン第一位に
選出された小津安二郎監督の代表的な無声映画。 第一位を獲得した最後の日本無声映画でもあり、この作品にサイレント映画の完成形を見ることが出来る。
 小津監督も「これは比較的よくいった作品でした」と語っているお気に入りの作品で、1959年に『浮草』(主演・中村雁治郎)の題名で小津監督自身により再映画化されている。
 『出来ごころ』や『東京の宿』と同じ坂本武主演の〝喜八もの〟であり、旅役者の悲哀を軸に
男と女、父と子それぞれの思いを笑いと涙で描いた秀作。 喜八をそばで支える女と待つ女を、
対照的な八雲理惠子と飯田蝶子が熱演しているのも見どころの一つである。


 旅芝居の市川喜八一座が、4年ぶりに信州のある小さな町にやってきた。 久しぶりの興行を
喜ぶ町民で一杯になった初日の舞台であったが、思わぬ大雨に古い小屋はひどい雨漏りで芝居は中止となってしまった。 その後も長雨が続き小屋を開けられぬ日が続いたが、座員の心配をよそに、喜八はなぜか呑気に構えて連日どこかへ出かけていく。 実はこの町には、喜八の息子の信吉と、その母で小料理屋を営むおつねが住んでいたのだ。 喜八が父であることを知らない信吉に、「芝居のおじさん」としてその成長を喜ぶ喜八であったが、ひょんなことから、一座の中で喜八を支え連れ添ってきたおたかに、二人の存在を知られてしまう。 娘役のおときを連れて、おつねの店に乗り込んできたおたかと激しくぶつかる喜八。 ある日、おたかはおときに信吉を誘惑するよう持ちかける。 そろそろ町を離れる日が近づいた頃、信吉がおときと親しそうに会っている姿を見つけた喜八は・・・・。  

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