語り継ぎたい古典サイレント映画 Vol.23  



 

『韋駄天数右衛門』(いだてんかずえもん)

「忠臣蔵」の外伝物。元禄赤穂事件の際には、浪人の身でありながら討入に加わったことで知られる不破数右衛門の物語である。討入でも数右衛門は最も目覚ましい活躍をしたと伝えられているが、本作は史実とは異なっているようである。
 中小の映画会社を転々とし、その先々で娯楽本位の大衆時代劇を数多く遺し、その手腕が高く評価された後藤岱山の監督作品。後藤は改名を繰り返したことでも有名で、我が国の元老監督の一人。1938年からは大都映画に在籍し、39年には大乗寺八郎主演でやはり『韋駄天数右衛門』を撮っている。
 主演はB級映画の大スター・羅門光三郎で、不破数右衛門と大石内蔵之助の二役を熱演している。当時、妻であった原駒子との共演作でもあり、二人は宝塚キネマに夫婦共々トップスターとして迎えられたのだが、会社は一年少々しか存続しなかった。
 34年の正月映画として製作され、大衆娯楽時代劇として高評価を得た作品である。


 粗忽者ではあるが、どこか憎めない人柄の不破数右衛門。大切な年始のお剃刀の日に、殿の頭を傷付けるという大変な失敗をしてしまったが、殿の厚きお情けに救われ、感涙するのであった。
 だが或る日のこと、仇討の兄妹を救った数右衛門は、仇と取違えて次席家老大野九郎兵衛の一子群太夫を斬り捨ててしまった。愕然として非を悔いる数右衛門だが、時既に遅く、御成敗に成る事を覚悟する。だが、又しても殿の厚きお情けによって命を救われた数右衛門は、住み慣れた赤穂城下を後にする。
 かくして三年の歳月が流れた。数右衛門は寺子屋稼業で僅かな糊口凌いでいたが、或る日、東海道を赤穂へと急ぐ早駕籠からお家の一大事を知る。居ても立ってもいられなくなった数右衛門は、鎧櫃を背に大身の槍をかい込んで、赤穂目指して韋駄天走り・・・
  

                             
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