語り継ぎたい古典サイレント映画 Vol.18  



 

『カリガリ博士』 (Das Kabinett des Dr.Caligari)

 対象を写実的にとらえず、作者の主観と個性のままに変形して現わそうとする表現主義映画の先駆をなした作品であり、ドイツ映画を世界的に普及させる端緒となった作品でもある。表現主義映画は1920年代後半には衰退するが、映像効果の面で後々まで各国の映画に影響を与えている。
 当初の脚本では、カリガリ博士は人々を戦争に駆り立てる扇動者、ツェザーレをこの扇動者に操られるままに殺戮を行う操り人形と位置付け、戦争指導者に対する痛烈な批判精神が込められていたが、世界市場も視野に入れていたプロデューサーのエーリッヒ・ポマーによって、怪奇幻想の物語へと変えられていったという。
 この映画を最も特徴付けたセット美術を担当したのは、表現主義の画家たちで、平衡感覚が狂ったような歪んだ形にデフォルメされた背景画が描かれ、黒と白のコントラストも強調されている。登場人物の衣装やメイクアップもまた、表現主義に徹した非日常的なものになっている。
 カリガリ博士を演じたヴェルナー・クラウスは主に舞台で活躍したドイツの名優。ツェザーレ役のコンラート・ファイトは不健康な人を演じるのを得意とした性格俳優として知られている。


 或る小さな町のお祭り。中でも人気を集めていたのは、 催眠術によって眠り男ツェザーレを操り、見物人の未来を予言させるカリガリ博士の見世物小屋。フランシスとアランが小屋に入り、アランが自らの余命を尋ねるとツェザーレは「明日の夜明けまで」と予言する。翌朝、アランは何者かに殺されていた。他にも、カリガリ博士を邪険に扱った役人が殺されていたことを知ったフランシスは、恋人ジェーンの父親に協力を求めてカリガリ博士の監視を続ける。すると今度はジェーンが襲われた。危うく難を逃れたジェーンは「ツェザーレが犯人」と証言する。だが、そこには謎が…。精神病院へやってきたフランシスが院長に面会を求めると、現われたのは…。
  

                             
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