語り継ぎたい古典サイレント映画 Vol.14  



 

結婚哲学』 (The Marriage Circle)

 “映画の神様”と謳われ“ルビッチ・タッチ”なる言葉を作り出したドイツ出身の映画監督エルンスト・ルビッチが、1922年末に渡米、『ロジタ』に続くアメリカでの第2作として発表したのが本作であり、無声映画期における代表作の一つとなった。
 この前年にC・チャップリン監督の『巴里の女性』でも主役を演じた“一代の粋人”アドルフ・マンジューが妻と離婚したがっているシュトック教授役、教授の妻役は豊艶なマリー・プレヴォスト、気取り屋のブラウン博士役は1m90㎝という長身のモント・ブルー、その妻シャルロットを演じたフローレンス・ヴィドアは『チャンプ』の監督キング・ヴィドアの夫人であり(後に離婚)、上品で優雅な奥様タイプとして人気があった。撮影のC・エンガーは『ウィンダミア夫人の扇』でもルビッチ監督と組んだ他、『オペラの怪人』(25年)の撮影も担当している。
 ニューヨーク・イヴニング・テレグラム紙は「『結婚哲学』に於いてエルンスト・ルビッチは再び彼が創造の天才である事を証明した」と評し、ニューヨーク・アメリカン紙は「『結婚哲学』に於いてルビッチ氏は、人生を、我等がかくあるべしと思う姿でなく、あるがまゝの姿に表現した」と書いている。ウィーンを舞台に、匂うばかりのエロチシズムとソフィスティケーションを存分に含んだルビッチならではの微苦笑芸術の極致ともいうべき傑作である。


 妻への愛情がすでに薄れてしまったシュトックは、結婚生活を続けて行くことに倦怠感を抱き始めていた。一方、若くて浮気っぽい妻のミッツィもまた夫への愛は冷めており、親友シャルロットの夫で優しく紳士的なフランツを誘惑しようとする。そんな妻の行状を知ったシュトックは離婚の口実が出来たとほくそ笑むのだった。
 シャルロットは夫フランツと深く愛し合い、自分たちの結婚こそ理想の姿と信じていた。そんな彼女に秘かな恋心を抱くフランツの同僚グスタフと、妻を愛しながらもミッツィに手を焼くフランツが経営する診療所に、ある患者が訪れて…。
  

                             
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