語り継ぎたい古典サイレント映画 Vol.13  



 

ロイドの要心無用』 (Safety Last)

 チャーリー・チャップリン、バスター・キートンと共に〈世界三大喜劇王〉の一人に数えられるハロルド・ロイドは、日本での人気が特に高く、興行成績でも度々チャップリンを上回っていた。
 約200本に及ぶロイドの主演作の中でも本作はその最高傑作に挙げられる作品であり、全七巻の長尺を息も継がせず見せる手腕が高く評価され〝喜活劇〟とも評されている。
 この作品が封切られた映画館では、ビル登りのクライマックスとなると「観客総立ちで、女などはキーキーと悲鳴を上げる騒ぎ」だったと当時の雑誌には記載されている。大時計の針にロイドがぶら下がった場面は殊に有名で、ロイド映画を象徴するシーンとして繰り返し取り上げられている。
 ロイドはこの作品の撮影直後に、1919年より相手役を務めてきたミルドレッド・デイヴィスと結婚。二人の共演作は本作が最後となり、次作の『巨人征服』からはジョビナ・ラルストンが相手役を務めることになる。


 大きな夢と希望を抱き、生まれ故郷を後に憧れの都会へとやって来たハロルドは、とあるデパートに就職する。一日も早く出世して、愛するミルドレッドと一緒に町で暮らそうと願っているのだが、現実は厳しく仕事では失敗ばかり、なかなか思うようにはいかない。それでも、ミルドレッドへ送るラブレターには「仕事は順調でとんとん拍子に出世している」と、嘘とも願望とも妄想ともとれる言葉を書き綴っていた。そんな彼からの手紙を真に受けたミルドレッドは、母親にも薦められ、喜び勇んで愛しいハロルドの許へとやってくる。突然の婚約者の訪問に驚いたハロルドは、実態がバレては大変と必死にその場を繕うとするのだった。
 そんな折、店の知名度を高めようと考えた総支配人が「店に客を集めるアイデアを出した者に1000ドル払おう」と話しているのをハロルドが偶然耳にする。
 壁面登りの特技を持つ友人ビルに12階建てのデパートを登らせれば、きっと何百人もの人が集まるというハロルドの案が採用される事になった。そして翌日、新聞にも報道され、目論み通りにデパートの前は黒山の人だかり。だがその中に、ビルへの恨みを持つ警察官が鋭い目を光らせている…。
 

                             
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