語り継ぎたい古典サイレント映画 Vol.10  



 

オペラの怪人』(The Phantom of the Opera)

 「黄色い部屋の謎」などの作品で知られるフランスのミステリー作家ガストン・ルルーによって1910年に発表された同名小説が原作。『ノートルダムのせむし男』に主演して一躍怪優として脚光を浴びたロン・チャニーを主役に据えて撮られた作品で、サイレント期における恐怖怪奇映画の代表作に数えられる。何度となくリメークされて、ミュージカルでも上演されているが、本篇がアメリカでの最初の映画化であり、原作に比較的忠実に描かれている。ちなみに、アーサー・ルービン監督、クロード・レインズ主演で製作された1943年版はアカデミー賞の撮影賞、美術賞を受賞している。
 壮大なセットに膨大な数のエキストラを動員し、仮面舞踏会のシーンをテクニカラーで撮影するなど、巨額な製作費を注ぎ込んだユニヴァーサル社の自信作で、日本でもキネマ旬報に広告として社長の声明文を出稿し、帝国劇場で先行ロードショーを打つなど大々的な宣伝を展開、大ヒットなった。東京朝日新聞はその様子を〈所謂、大作品に大多数のファンが食傷して居るにも不拘、素晴らしく騒がれて居る映画である〉と伝えている。
 今もユニヴァーサルスタジオに遺されているセット、ロン・チャニーの見事な変装ぶりとその演技力、劇中でのオペラ、そして大群衆と、見所の多い作品である。


 19世紀末、パリのオペラ座に、仮面を着けた黒マントの怪人が舞台裏やボックスシートに現れると噂が立った。オペラ座の人気プリマドンナであるカルロッタの許へは、歌劇「ファウスト」のマルゲリーテ役を降板して無名の新人クリスティーヌに譲れと、怪人から脅迫状が届く。カルロッタの母は怒るが、不思議なことにカルロッタは突然病気となり、クリスティーヌが代役を務めた。舞台は大成功を収め、クリステーヌは絶賛される。
 オペラ座の地下五層に住み付く男が、部屋の壁の彼方からクリスティーヌの歌唱指導をしていた。彼こそが仮面を着けた怪人であった。
 再び「クリスティーヌに歌わせろ」という手紙が届くが、今度はそれを無視してカルロッタが舞台に立った。すると天井からシャンデリアが落下、劇場は大混乱となってしまう。
 地下の部屋に連れ込まれたクリスティーヌは、好奇心から怪人の仮面を剥ぎ取ってしまう。愛する人に醜い顔を見られ羞恥心から怒り狂った怪人は、クリスティーヌに恋人ラウルを諦めることを誓わせた。しかし、クリスティーヌは仮面舞踏会でラウルと落ち合い、次の舞台が終わったら一緒に逃げようと約束をする。二人の会話を聞いてしまったエリックは激怒し、翌日の舞台からクリスティーヌを浚っていった。ラウルは謎のペルシャ人ルドウと共にクリスティーヌの救出に向かうのだが・・・。

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