語り継ぎたい古典サイレント映画 Vol. 1 



 

プラーグの大学生』 (Der Student von Prag)

 19世紀に活躍したフランス・ロマン派の詩人で劇作家でもあった、アルフレッド・ド・ミュッセの詩 「影」 をモチーフとして、ハンス・ハインツ・エヴァースが作った六幕物の戯曲を原作とする、
1913年のドイツ映画です。
主演のパウル・ヴェゲナーは当時のトップ俳優の一人。 舞台中心で活躍していましたが、
本作品が契機となって映画界にも本格的に進出し、後に監督、脚色、主演の一人三役をこなして『巨人ゴーレム』(1920年)と言う映画も制作しました。 ドイツで最も初期に作られた本格的劇映画の一つで、それまでは単なる見世物として扱われていた映画が、この作品によって「芸術」とみなされるようになったとさえ云われています。
映画化にあたっては原作者のエヴァース自らが脚色し、物語の展開と結末は100年前に作られた作品とは思えぬ程、人間の心理と欲望そしてホラーの要素を存分に含み、表現主義映画の
先駆的な作品として、ドイツ映画史上に特筆されている名作でもあります。
 ベルヴェデーレ城をはじめとするプラーグ(プラハ)周辺の名所で撮影されていて、当時の
古都の様子が窺えるのも、本作を観る楽しみの一つではないでしょうか。 
                                                   (松田豊)



 1820年のプラーグ。 大学生のバルドゥイン(ヴェゲナー)はプラーグ一の名剣士として、
また大学一の荒男(あらおとこ)として日々を過ごしていた。 ある日バルドゥインは、学生達が
“変人”と噂する謎の男・スカピネリ(ジョン・ゴットフト)に、「大当たりの富くじか、遺産付きの
金持ち娘でも世話してくれ」と言うと、しばらくして、伯爵令嬢のマルギット(グレーテ・ベルガー)の危機を救い近づきになる。 翌日マルギットの邸宅を訪れたバルドゥインは、彼女が既に
彼女の従兄であるヴァルディス男爵と婚約している事を知り、貧乏学生の自分では相手に
ならないと身を引く決心をするのだった。 
 しかし、そこへあのスカビネリが現れバルドゥインに大金を与え、彼を町一番の金持ち学生にしてしまう。 スカピネリを訝るバルドゥインではあったが、スカピネリが金と引き替えに
差し出した誓約書を見て、迷わず署名をするのだった。 その誓約書には “金貨と引き替えに
バルドゥインの部屋の中にあるものを何でもスカピネリに譲る” と書かれてあった。 
そしてスカピネリが持って行ったもの、それは鏡に映るバルドゥインの姿だった。 目の前で
起きた不思議な出来事に動揺するバルドゥイン。 彼が鏡の前に立った時、そこには見える
はずの彼の姿は既に無かった。 
 富を得たバルドゥインは、パーティー会場でマルギットに再会し愛を告白してしまう。
しかし、バルドゥインを慕い、彼の身を案じて後を追って来たジプシーの娘リュドウシュカ(リュダ・サルモノヴァ)にその様子を見られてしまう。 そしてもう一人、スカピネリが持って行った
バルドゥインの<姿>が・・・・・                       
                                                 (Haruki)
                                       

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